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物流業界の現状と「ロジスティクス4.0」を活用した課題解決への道

 

物流業界が抱える課題を解決するための取り組みとして注目されているのが、物流改革である「ロジスティクス4.0」です。
今回は物流業界の現状と「ロジスティクス4.0」によってどのような課題解決が期待できるかについてご紹介します。

 

 

物流業界の課題

 

 

物流業界の課題は山積していますが、大きく2つあるといえます。

 

 

人手不足

 

物流業界では、長く続く人手不足が大きな課題となっています。トラックドライバーは高齢化が進んでおり、2024年問題によって時間外労働時間に上限(年960時間)が設けられたことで、更なる人手不足に陥っています。

 

 

環境の変化

 

インターネットの普及によりECサイトの利用者が爆発的に増え、コロナ禍においても利用者は増加しました。これにより生産性の悪い小口配送が増加し、物流業務の負担も大きくなっています。
人材不足を解消するために人件費は上がり、ウクライナ危機による燃料費の高騰が続いており、物流コストは高まる一方ですが、競争の激化により安く早く届けることが当たり前といった状況に対応しなければなりません。
近年増加傾向にある災害対策として、事業継続計画(BCP対策)にも気を配らなければならなくなっています。

 

 

ロジスティクス4.0とは

 

 

ロジスティクスとは、原材料の調達から商品・製品の販売までの運送・保管・包装・システム・流通加工・荷役といった流れを一元管理するシステムです。一元化によって無駄を省いて効率化を図り、需要と供給のバランスの適正化を実現します。
ロジスティクスではこれまでにもイノベーションが発生しており、4.0とは4回目の大きなイノベーションのことです。
ロジスティクス1.0は20世紀初頭に起こり、主に輸送の機械化が進みました。
ロジスティクス2.0は1950・60年代に起こり、コンテナ、フォークリフト、ベルトコンベアなどの登場によって荷役の自動化が進みました。
ロジスティクス3.0は1980・90年代に起こり、ここでTSM、WMSといったシステムが登場し、管理の自動化が進みました。
そして、ロジスティクス4.0です。2010年代からスタートし、装置の自動化、ロボットの活用、AIによる需要予測、SCMといった手法の活用など、様々な取り組みが進んでいます。

 

 

ロジスティクス4.0によって得られる具体的な効果

 

 

このように、ロジスティクス4.0によって「省人化」と「標準化」が進むことにより、物流業界が抱える課題が解決されることが望まれています。
この章では、ロジスティクス4.0によって得られる「省人化」と「標準化」についてご説明します。

 

 

効果①省人化

 

物流業界で長く続く人手不足の解消への効果が期待できるのが「省人化」です。
様々な仕組みを取り入れることで、少ない人数でもこれまでと同じ仕事量を同じ時間で行うことができるようになります。
すでにロジスティクス3.0ではTSM、WMSといった管理システムの導入が進み、省人化も行われてきましたが、ロジスティクス4.0は管理だけではありません。自動運転による輸送、運搬ロボットの活用、AIによる需要予測、ドローンによる配送など、配送自体や判断といった部分においても自動化が進んでいます。AGV(自動搬送車)だけでなく、障害物を避けて自分で移動ルートを算出できるAMR(自律走行搬送ロボット)の活用も進み、人間とロボットの協業によって更なる業務効率化が進んでいます。
こうした省人化によって、人手不足の解消が期待されています。

 

 

効果②標準化

 

IoTの技術の進化により、モノとインターネットが繋がってリアルタイムでの情報共有と情報の蓄積ができるようになりますので、判断や業務指示などの標準化が可能となります。
物流におけるオペレーションの標準化が進むと、誰が行っても同じような成果を担保できるようになり、誰かがいないと仕事が進まないといった属人化を防止することができます。さらに、情報の蓄積によってAIによる機械学習・分析が進めば、判断や業務指示の精度は高まっていきます。
このように、標準化によって業務が効率化されることに加え、品質の均一化も期待できます。

 

 

まとめ

 

 

ロジスティクス4.0は、ビッグデータ・IoT・AIなどを駆使して物流の劇的なイノベーションを起こすことであるといえます。
長年続く人材不足や、近年の環境の変化に対応していくためには、こうした新しい技術を最大限に活用し、省人化と標準化を進めることで、これまでよりも少ない人員でも質の高い物流サービスを提供し続けられるようにしていくことが望まれます。

 

 

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